〜AGM-88〜


スケールは1m

AGM-88HARM
HARMとは「ighspeed nti adar issile:高速対レーダーミサイル」の略で、AGM-45シュライクおよびAGM-78スタンダード対レーダーミサイルの後継として開発され航空機の天敵である地対空ミサイルを無力化する目的に使用されます。

地対空ミサイル陣地に存在するレーダーの電波を探知しその照射源へと誘導しするミサイルで、例え相手がレーダーをOFFにしてもミサイル内部のメモリーが最後にレーダーがOFFにされた場所を記憶しているので命中率こそさがりますが目標への誘導を続行します。当然その間に移動してしまえば命中はしないでしょう。しかしこのミサイルは非常に高速であり、例え射程圏ギリギリで発射されたとしてもレーダーアンテナの格納、車載、発進の作業を十数秒でこなさなければなりません。しかも自らレーダー波を放出しないAGM-88HARMは探知されることがないのです。また一度レーダーを停止されても、再びレーダー波が照射されれば正確な位置にロックオンされます。

脅威となるレーダー波の波長パターンなどから脅威の情報をコックピットに表示、パイロットは任意の脅威を選択しミサイルは選択された脅威情報を受け取ります。この場合HARMは複数の目標に対して正確に同時攻撃をかけることが可能です。
HARMは発射時に脅威レーダー波に必ずしも照射されている必要はありません。発射母機は脅威の遠方から発射すると、後にHARMは目標が発するレーダー波を探知することもできます。

発射後十数秒間はロケットブースターを使い速度はマッハ3にも達すると言われており、高高度での射程は40海里を誇ります。高性能が故に当初の1基あたりの予算のよりも高くなってしまうという弱点も持ち合わせていますが、1機数十億円の戦闘機がSAMに撃墜されるよりも1基2000万円程度のミサイルで被撃墜の可能性を減少させた方が良いに決まってます。
湾岸戦争ではその威力を惜しげも無く発揮しイラクの防空網は24時間でほぼ壊滅してしまいました。生き残ったレーダーサイトやSAMレーダーはHARMによる攻撃を避けるためレーダーを使用することができなくなるという抑止力も生み出しました。そのためイラクはレーダーを使わずにミサイルを発射していたそうです(ミサイルの航跡が脅しにはなるため)。

現在開発中のAGM-88Dはさらに高速化・射程が延長され、さらに自前のレーダーを追加し、目標のレーダーシャットダウンに対応できる高機能HARMとなる予定です。

F-15EにはHARMを装備する能力が新たに与えられましたが、通常この兵装を使用したSEAD(防空網制圧)ミッションに駆り出されることはまずありません。

名称 AGM-88C HARM
用途 防空網制圧及び艦船無力化
重量 800ポンド(363.2キログラム)
全長 13フィート1インチ(4.14メートル)
直径 10インチ(25.4センチメートル)
操縦翼幅 3フィート8インチ(1.01メートル)
弾頭 指向性破片威力弾頭
エンジン YSR-113-TC-1固形燃料ロケット
誘導方式 対レーダーシステム
最大射程距離 40海里
単価 200000ドル(2300万円)







当ホームページはフレーム対応ホームページです。