コンフォーマルタンク


コンフォーマルタンクは機体に密着させた増槽で、落下式のタンクのように兵装搭載ステーションを使用することなく燃料を多く積むことが可能です。
そして通常の増槽より抗力が段違いに小さく、コンフォーマルタンクを装着していないよりも装着している状態の方が抗力が下がるとすらされており、また若干の揚力も生み出しますがコンフォーマルタンクの重量分生み出すわけでは無いので機動性は若干ながら低下しています。

ストライクイーグルはこのコンフォーマルタンクを標準装備しており長距離侵攻能力を増大させています。真正面から見比べてみると胴体が太くなっているのが良く分かります。また、コンフォーマルタンクには兵装搭載ステーションが付け加えられて500ポンドクラスなら12発(片側6発)。2000ポンドクラスなら4発(片側2発)の爆弾が装備できるようにされました。爆弾のみではなく4発(片側2発)のAIM-120/AIM-7を搭載可能です。この兵装搭載ステーション増設も写真から分かると思います。

コンフォーマルタンクは落下式タンクと違い、空中で切り離すことは不可能ですが地上の作業で取り外すこともできます。しかしF-15Eがコンフォーマルタンクを切り離すなど実戦ではありえないでしょう。
当然タンクの自重と最大4265Kg(CFTを除く機内搭載量は5952Kg)にも達する搭載燃料は空対空における機動戦闘に間違いなく影響を及ぼすと思われます。が、湾岸戦争以降、米軍による空中戦におけるドッグファイトはゼロであるという確率を考えると「性能の低下」といえるレベルでは無いでしょう。


2001年ソウルで行われた韓国F-X採用合戦(相手はより新型のSu-35,EF2000,ラファール)においてコンフォーマルタンク取り外し型が展示飛行を行っています。

全く関係の無い話ですがF-16やF-18のように翼端にスモークワインダーを搭載できる機体ならまだしも、F-15Eにはあまり似合ってるとは言えないような気がします。2本のスモークを出して演技飛行するのが一番似合っているのはミラージュ2000のようなデルタ機ですね。


最近ではF-15Eだけではなく、F-15CやF-16、フランスのラファールなどコンフォーマルタンクを装着する機体が増えています。コンフォーマルタンクの重量分ならいざしらず重い燃料を搭載して機動性能を低下させてでも航続距離を延長させるところが現代の空中戦の性格をあらわしていると考えられます。



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