〜複合任務戦闘機〜
「デュアルロールファイター」
本来、F-111を補完・代替する戦闘機の開発計画名でしたが、現在ではF-15Eの種別を表す単語として使用されています。「マルチロールファイター」と語意としては変わらず、万能戦闘機や戦闘攻撃機を意味します。
しかし、F-16やF/A-18MRFとF-15DRFでは決定的に違うところが有ります。前出のF-16やF/A-18は世界的傑作機であり戦歴を見ても優れた結果を残し、もはや無くてはならない主力戦闘機ですが、これらは「ある程度の対空能力と、ある程度の対地能力さえ持っていれば十分、あとは安いほど良い。」という思想に基づいて創られた物です(この思想が決して間違いではないことはすでに証明されました)。90年代〜21世紀のタイフーンやラファール、グリペンといった戦闘機も同様です。
それに対しF-15DRFは
「地球上のあらゆる空で、どんな天候でも、どんな相手でも、どんな状況下でも、敵を空から追い出すこと。」「どこへでも飛んで行き、どんな天候でも、どんな相手でも、どんな状況下でも、どんなものでも破壊できること。」もはや何度も書いているようなフレーズです。高価になっても構わない。だから妥協するな。最高を創れと言うことです。その結果本当に高価になってしまい配備機を減らされてしまいましたが、この思想もまた間違ったものではないことが90年代以降に実証されました。
湾岸戦争初日。F/A-18ホーネットはMk-84通常爆弾を搭載し爆撃任務のクルーズ中、迎撃に飛来した殲撃6型をE-2Cホークアイ早期警戒機の指示によりレーダーモードをAGからAAに切り替えてサイドワインダー(2発)とスパローで2機を撃墜することに成功。さらに爆撃を成功させて帰還すると言う大戦果を挙げました。迎撃にあがってきた戦闘機こそ旧式のミグでしたが、仮にMiG-25やMiG-29であっても同じ結果に終わっていたかもしれません。真のミサイル万能時代が到来したことにより空対空戦闘を行うのに爆弾や増槽を投棄する手順はすでに過去のものとなったのです。
より高いレベルの「マルチロールファイター」であるF-15Eに真似の出来ないはずがありません。そして21世紀の現在、湾岸戦争では表立って使用されなかったAIM-120AMRAAMというより強力なミサイルも存在します。そのAIM-120AMRAAMとF-15(Cですが)によりすでに4機のMiG-29が血祭りに挙げられています。