〜SDB〜
Small Diameter Bomb 小直径爆弾の略。
F-15Eを始め、戦術戦闘機に搭載する爆弾は500〜2000ポンド、ディープスロートを含めればおよそ4700ポンドの間となります。
最小の500ポンドMk82爆弾でさえも平地に投下すれば対人殺傷半径は300mにもおよび、幾らピンポイント爆撃が可能といっても、小規模の建造物密集区域を攻撃する場合はオーバースペックのため予期せぬ殺傷を招く可能性があります。
また、建造物に限ったことではなく、地上車両を攻撃する場合にも同じ事が言えます。
戦車砲の劣化ウラン弾は爆弾より弾着速度が速いとは言え、重量はせいぜい10ポンド程度です。その戦車砲ですら撃破できる車両を、装甲の薄い上面を狙う爆弾は最低でも500ポンドのものを投下しなくてはなりませんので、やはりオーバースペックが生じています。
SDBはこのような場合に対応するための爆弾であり、重量は250ポンドから50ポンドオーダーで最小100ポンドまでの搭載試験が行われます。小型で軽量であるためF-15Eの翼下パイロンに最低でも4発を搭載し、最大で12発を搭載するとされています。「最大で12発」とは一つの爆弾ラックでの話であり、つまり両翼に搭載した場合24発ものSDBを装備することとなります。
搭載数が飛躍的に増加したことにより1回のソーティーで多数の目標に対して空爆を行えるようになります。
SDBには大別してフェーズ1、フェーズ2の二種が存在し、SDBフェーズ1の誘導方式はJDAMと同様GPSが使用されます。そのためフェーズ1では対建造物を主眼に考えられており、地上固定目標のみに対して攻撃能力を持ちます。また、SDBフェーズ2では、誘導方式にAMSTEが使用され、地上動目標に対しての攻撃が可能で速度100km/h以下の装甲車両に対しての攻撃能力を持ちます。
フェーズ1は、フェーズ2を含めてSDBの基本モデルとなります。
80年代後半〜90年代の主力スマート爆弾がペイブウェイであり、90年代後半〜2000年代の主力がJDAMであったように、2010年代ではSDBが主流となることが確実視されています。しかし、「適材適所」に対応するために開発されている兵装であるため、Mk82以上の重量爆弾に取って代わると言うわけではありません。
なお、SDBは2006年実用化、F-15Eへの搭載を目指しており、将来的にはB-2やB-1、F-16やF/A-18、F-22、F-35、さらにはUCAVにも搭載される新型の統合兵器となります。
名称 | Small Diameter Bomb |
用途 | 施設及び地上動目標攻撃 |
重量 | 100〜250ポンド (45〜113キログラム) |
全長 | |
直径 | |
翼幅 | |
弾頭 | |
誘導方式 | フェーズ1:GPS フェーズ2:AMSTE |
最大射程距離 | |
単価 | 1万ドル |
研究開発費 | 4700万ドル |