〜AIM-120〜


スケールは1m

AIM-120 AMRAAMはdvanced edium ange ir to ir issileの略であり、アムラームと読みます。

AIM-7スパロー3の後継として設計されました。AMRAAMへの要求は非常に高く、開発は困難を極め1979年の開発開始より10年後の1989年にようやく実用化され1990年年末には部隊配備が始まり、1991年1月17日に湾岸戦争勃発、AMRAAMは部隊配備が遅れ湾岸戦争末期にようやく実戦デビュー、しかし結局一発も発射されること無く終わってしまいました。

AMRAAMは発射されると搭載されている慣性航法装置により予想着弾点へと飛翔し、もし発射した母機が敵戦闘機をロックオンし続けているのならば目標データがミサイルへと無線送信され続けて敵機の機動により刻々と変わる予想着弾地点をアップデートされます。そして、ある程度AIM-120が目標へと接近するとミサイルは「覚醒」し、AIM-120に搭載されているアクティブシーカー(レーダー)により自ら目標をロックオンし終端誘導段階に移行。あとは母機の助けを必要とせず完全自律モードで誘導を行います。
発射後にロックオンを即解除すると予想着弾がアップデートされないため敵機が高機動でブレークするとその着弾予想点は何の意味を持たなくなり「覚醒」後の修正で無駄に速度エネルギーを消費してしまうことになります。しかし即ロックオンを解除する利点はスパローでは不可能であった発射後即離脱が可能であるため生還確率を上昇させることにあります。
完全アクティブモードでの発射も可能です。目標との距離が数百メートル〜数キロメートルという短射程での場合、発射前からAMRAAMのアクティブシーカーを作動させロックオンし最初から最後まで終端誘導段階にすることが可能です。
本来なら発射前にAMRAAMのアクティブシーカーにロックオンさせて発射するのが最も良い方法なのですが、ミサイルのサイズに合うレーダーを搭載するとなると、どうしても電波の出力が小さくなり遠距離の敵機を探知できないのです。また使い捨てであるため費用削減のため異様にレーダーの寿命が短いということもあります。
また、この新型のミサイルはチャフへの耐性も強く「覚醒」後にいくら回避機動を行っても徒労に終わるでしょう。またジャミングがかかると自動的にジャミングの発信源を目標にし誘導されます。

ミサイルのロケットモーターを無煙化させることにも成功しており目視による確認を困難になりました。写真を見るとその効果が実感できます。AIM-7スパローに比較し小型軽量化さておりまさに新型にふさわしい高性能なミサイルで今後世界の中距離対空ミサイルの標準となるでしょう。現在では初期型AIM-120Aから、AIM-120B(94年より生産開始)及びF/A-22専用のAIM-120C(96年より生産開始)へと生産が移りました。AIM-120Aでは情報処理のプログラミングが全てハードウェアによるものでりましたが、AIM-120B/Cではソフトウェアが加えられており、処理能力およびソフトウェアの交換による冗長性(しいては命中率)が向上しています。
また最新のAIM-120Dが現在開発中であり、双方向データリンク・GPSを装備しJTIDSを通じたAWACS等からの中間誘導が可能となり、射程の延長化、命中精度の向上と、後方向への攻撃も可能となる高オフボアサイト攻撃能力が予定されています。


しかしこのAMRAAMの弱点は値段にあります。AIM-7スパローに比較し値段の差が倍にもなってしまいました。AMRAAMは主役の地位こそ手に入れましたが、値段がゆえにスパローは小国や予備などでは生き延びていくでしょう。


鳴り物入りで実戦投入され、当初は非常に高い撃墜率を誇っていたAMRAAMですが、最近命中率が「数字上」で低くなりつつあります。「AMRAAM」という存在が世界的にも浸透したためであり、旧時代のセミアクティブホーミングをMiG戦闘機は、AMRAAMを搭載していると思われる戦闘機とは最初から交戦するつもりなど無く、牽制のためだけに接近し、AMRAAMを発射する前から逃げに徹したたためです。あらゆるミサイルにいえる事ですが、たとえAMRAAMであろうと遠距離での交戦では命中率は激減します。
しかし、これがAIM-120の価値を下げる結果になったか?と言うと、そうではありません。戦闘機の最大の目的は航空機の撃墜ではなく航空優勢を確保することです。AIM-120自体は命中しなくとも、敵性の戦闘機がその空域から去れば航空優勢を確保したことに直結します。

ストライクイーグルは一度に複数機をロックオンできるので最大8発のAMRAAMを8機の戦闘機に対して発射し8機を撃墜するという荒業も「論理的」には可能です。一世代、二世代前の戦闘機が相手ならば全機撃墜も夢ではありません。

ロシアにはAMRAAMのプロセスと全く同じもったアクティブレーダーホーミングのR-77”AMRAAMスキー”とあだ名されるミサイルまで登場しております、本家よりも性能が高いとの噂ですが、どうでしょう。実際問題として、管理や維持が杜撰なロシアのミサイルがまともに動くかすら怪しいものです。



名称 AIM-120A/B AMRAAM
用途 中距離空対空戦闘
重量 335ポンド(150.7キログラム)
全長 11フィート11インチ(3.67メートル)
直径 7インチ(17.78センチメートル)
操縦翼幅 1フィート7インチ(52.6センチメートル)
弾頭 指向性破片威力弾頭22キログラム
エンジン 固形燃料ロケット
誘導方式 中間:慣性+データリンク
終端:アクティブレーダー
最大射程距離 最大射程40海里
単価 386000ドル(4439万円)







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