〜GBU-28〜


GBU-28ディープスロート誘導爆弾は通常のペイブウェイシリーズと同じレーザー誘導方式であり、形状も細長いのを除けばさほど違いはありません。誘導装置はF-117用のGBU-27(2000ポンド)と同じペイブウェイIIILGBキットが用いられています。
しかしながらGBU-28は従来のペイブウェイシリーズとは一線を画する存在であるため別項で説明します。

GBU-28は重量4700ポンド(2113キログラム)を誇り、地下塹壕(バンカー)を破壊する目的のみに作られました。このような用途で用いる爆弾を「バンカーバスター」と呼びます。GBU-28は7mの強化コンクリートを貫通でき、砂漠投下テストでは予想を大きく上回る30メートルも掘削したためどうにか回収しようと努力が払われたが大きな予算がかかるとされ断念されました。
しかもこのテスト投下は湾岸戦争に間に合わせるため203mm自走榴弾砲の砲身に爆薬を詰めた爆弾でありながらです。

湾岸戦争ではF-111アードバーグにより2発が使用され、いままで何度かの攻撃にもびくともしなかったイラク軍の地下塹壕を内部から破壊しました。これはイラク首脳部に「安全な地下施設など存在しない。アンクルサム(米軍)はいつでもどこでも殺しに行ける」と、間接的な威圧をかけたことになります。いえ、イラク首脳部だけでは有りません。「ならず者国家」の指導者達への威嚇でもあります。なお湾岸地域に届けられたGBU-28は出来立てホヤホヤであり、本当に暖かかったそうです。

4800ポンドのうち、1300ポンドが炸薬の重量で占められており炸薬量だけでMk83(1000ポンド)爆弾の全重量を凌駕しております。このため爆発もさぞ派手だろうと思われるかもしれませんが地中で爆発するため上空からの効果判定は非常に難しいものとなっています。空中からは着弾後数秒後にわずかな煙が上がる程度だからです。

現在のGBU-28は湾岸戦争で使用された急造爆弾とは違い正式に発注されたものであり、より貫徹力や信頼性が高められた完成度の高い正規品となっています。2001年現在150発以上の生産されたことが確認されています。

GBU-28ディープスロートは全世界の戦術戦闘機の搭載する爆弾の中で最も重く、大きく、核兵器に次いで攻撃力の高いバンカーバスターであり、対テロ作戦を前面に打ち出した米国にとって今後もGBU-28とF-15Eは重要なポジションを占めることは間違い無いでしょう。

名称 GBU-28B DEEP THROAT
用途 地下塹壕精密爆撃
重量 4700ポンド2100キログラム)
全長(メートル) 8.42
直径(メートル) 0.37
操縦翼幅(メートル) 0.2
弾頭 BLU-113ペネトレーター
誘導方式 パッシブレーザー
最大射程距離 高度×5
単価目標 1670万円







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