〜AGM-154〜
AGM-154JSOW「ジェイソウ」と読みJoint StandOff Weaponの略称。
対地ミサイルではありますが、ロケット推進を持たず、見た感じは滑空翼の付いた爆弾といったところでしょう。ですので射程距離は高度により大きく変わります。高高度から投下した場合はなんと40海里も滑空することが可能です。誘導方式はGPS、慣性誘導方式なので妨害を受けることがありません。また、ミサイル自体はただのケースであり、弾頭を搭載するペイロード室を備えます。そのケースの中身を替えることで用途が異なります。発射前は翼を畳んでおり発射後に翼が開き滑空を始めます高高度から投下した場合はしばらく落下してから翼が展開します。
AGM-154A:
ペイロード室にはCBU-87クラスター爆弾を搭載しており、広い範囲に子爆弾を降り注がせるため車両や補給物資集積場などに対して有効です。
AGM-154B:
CBU97クラスター爆弾を装備し、戦車など装甲目標に対して用いられます。A型もそうなのですが、JSOWからポーンポーンと飛び出してくる子爆弾は面白いです。爆撃食らうほうはそれどころではありませんが…
AGM-154C:
1000ポンドMk-83普通爆弾を搭載した型。施設などの建築物に対して用いられます。海軍型につきF-15Eは搭載しません。
海軍のAGM-154Cのみが使用されただけであり、一部はまだ研究段階、まだ能力は未知数なところがあります。(失敗作ということはありえませんが)JSOWは射程が長く、母機からの誘導を全く必要としないスタンドオフ性能を有していることから今後レーザー誘導爆弾に取って代わる可能性も秘めています。
ほぼ全ての戦術戦闘機や戦略爆撃機に装備される予定です。
2001年2月のイラク空爆ではF/A-18などにより25の施設に対し投下され、なんと命中し、破壊したのは8施設!!
命中率は30%程度と、とんでもない値になりました。今後米軍の主力となるミサイルだけに、米空海軍はあせりの色を隠せません。
GPS誘導の兵器だけに、目標の座標を前もってセットする必要があり、その辺りに何かしらのトラブルがあったのではないでしょうか?
名称 | AGM-154A/B |
用途 | A型:ソフトターゲット精密攻撃 B型:ハードターゲット精密攻撃 |
重量 | 1065ポンド(483キログラム) |
全長 | 13フィート4インチ(4.1メートル) |
弾頭 | CBU87CEM CBU97 |
誘導方式 | GPS+慣性航法 |
最大射程距離 | 40海里(高高度) 200海里(推進力付き) |
単価 | A型:250000ドル(2875万円) B型:430000ドル(4945万円) |